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さいきん何かと話題のAI(人工知能)。
マッチングアプリや婚活業界でも、AIはどんどん活用されています。
この記事では用途・目的別で分け、マッチングアプリでAIがどんな風に活用されているかを紹介します。

大きくは3つの目的でAIは活用されている
先にお伝えすると、マッチングアプリや婚活でAIはおもに以下の3つの目的で活用されています。
- アプリで理想の相手と出会える確率アップ
- 出会いを効率化し、マッチングアプリ疲れを減らす
- マッチングアプリの安全性向上
これらの目的でAIを活用することで、マッチングアプリの利用者は理想のお相手を探しやすくなります。
基本的にAIは利用者のために活用されているのです。
目的別で、どんな風にAIが活用されているかを具体例を紹介しながら解説します。

目的① 理想の相手と出会える確率アップ
マッチングアプリ利用者が良い出会いを探しやすくするため、どんな風にAIが活用されているかを紹介します。
理想の相手と出会える確率を上げるために使われるのが、AIによるレコメンド(推薦)です。

AIによるレコメンドってどんな機能?
AIによるレコメンドとは、マッチングアプリの会員に対してAIが
「この人にはこの人が相性が良いかな」
「この人ならこんな人が気にいるんじゃないかな」
と判断し、レコメンド(推薦)してくれる機能です。
具体例を紹介します。
人気マッチングアプリのペアーズでは、他の会員のプロフィールを見ると「〇〇%」という数字が表示されます。
※下の画像で赤い枠で囲まれた部分です

これはAIが判断した相性で、数値が高ければ高いほど相性が良いということです。
つまり、AIが相性を数値化してくれるのです。
本当に相性が良いかどうかは会ってみないとわかりません。
同じく人気アプリのタップルでは、アプリを起動すると相性が良さそうな人をAIがレコメンドしてくれます。
これはAIが会員同士の嗜好(好み)を考慮してレコメンドしています。
タップルでは片方の好みだけでなく、両方の好みを考えてレコメンドすることで、マッチング成功率が1.6倍に上がったそうです[1]株式会社サイバーエージェント:「タップル誕生」の両思い請負人は機械学習エンジニア。
マッチングアプリ運営会社は、このように日々マッチングの精度を上げるために試行錯誤しています。
AIが相性の判断に使っているデータの例
AIによるレコメンドは、データによって判断されます。
膨大な種類のデータをもとに判断しているのですが、その一部として以下の3つを紹介します。
- プロフィール情報
- 写真の情報
- 行動情報

マッチングアプリによってどのデータを使っているか、重要視するかは違います。なので参考程度にしてください。
① プロフィール情報
レコメンドの判断でもっとも使われているであろうデータは、プロフィール情報です。
具体的には
- 年齢
- 職業
- 年収
- 趣味
- 休日
などの情報ですね。
これらのプロフィール情報を登録しないと、人だけでなくAIも相性を判断できません。
AIから推薦してもらいやすくするため、できるだけプロフィールの項目は埋めましょう。
② 写真の情報
プロフィールに登録した写真の情報も相性の判断に使われます。
具体的には
- 顔・スタイルなどの外見に関する情報
- 風景や写真に写っている物体の情報
などを読み取り、相性が良さそうな人を見つけてくれます。
海外では顔写真を分析し、外見的に好みの異性を紹介してくれる「Iris Dating」というアプリもあります。
やはり、マッチングアプリにおいて外見などの情報は大事。
なので写真はできるだけ登録しておきましょう。
③ 行動情報
マッチングアプリ内での行動履歴などの情報も相性の判断に使われます。
具体的には
- どんな人にいいね!したか(いいね・スワイプ履歴)
- アプリにログインする時間帯
- アプリ内に滞在している時間
- プロフィールの文章の内容・分量
- メッセージ送信・返信履歴
- プロフィール更新頻度・更新タイミング
- 引越し等による居住地の移動
などの情報ですね。
ただ、行動についてはそれほど気にする必要は無いと思います。
真面目にお相手探しをしていれば、AIに悪い評価をもらうことは無いからです。

後で紹介しますが、AIは悪質な利用者の特定にも活用されています。なので明らかに不審な行動をすると、AIによって悪質な利用者だと判断されることがあるので注意してください。
AIレコメンドを導入しているおすすめマッチングアプリ
AIによるレコメンドを導入しているマッチングアプリの中から、おすすめアプリを紹介します。
ペアーズ

まずおすすめしたいのはペアーズです。
ペアーズはAIの導入にかなり積極的で、東京大学と一緒にレコメンドのアルゴリズムを共同開発しています[2]ITmedia NEWS :「好きかも?」AIで分析 東大と「Pairs」がタッグを組む理由。
ペアーズは累計会員2,000万人を超える国内最大のマッチングアプリ。
利用者が多いということは、AIは大量のデータを学習している、ということでもあります。
この会員・データ基盤を活用し、優れたマッチングアルゴリズムを活用すればまさに鬼に金棒。
とても使いやすいサービスなので、AIを意識せずに使えます。
初心者でも簡単に使えるよう設計されているので、マッチングアプリ初心者に特におすすめなのがペアーズです。
カップリンク
次に紹介するのはカップリンク。
カップリンクもペアーズと同じく、AIにかなり力を入れているマッチングアプリです。

カップリンクでは、独自開発したAIが毎日おすすめのユーザーを紹介してくれます。
2022年8月にはAIのアルゴリズムを改良し、それまでと比較してマッチング数が1.8倍まで増加した実績があります[3]AIsmiley:マッチングアプリ「CoupLink」AI活用でマッチング数が最大1.8倍に増加。
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AI機能付きマッチングアプリおすすめ5選!
目的② 出会いを効率化し、マッチングアプリ疲れを減らす
ここからは、3つのAI活用方法の中の2つ目にあたる
「出会いを効率化し、マッチングアプリ疲れを減らす」
について解説します。

出会いを効率化し、マッチングアプリ疲れを減らすAIはさらに以下の4つの種類に細分化できます。
- AIエージェントによる代行・サポート
- AIが好相性の会員を自動マッチング
- AIによるマッチングアプリのアカウント運用代行
- AIがメッセージ作成をサポート
この4つをそれぞれ解説します。

① AIエージェントによる代行・サポート
マッチングアプリの中には、利用者をサポートしてくれたり、作業を代行してくれる「AIエージェント」を導入しているアプリがあります。
そんなAIエージェントを利用できるマッチングアプリを、仕組みを解説しながら紹介します。
Ravit(ラビット)
最初に紹介するAIエージェント搭載マッチングアプリはRavit(ラビット)です。
RavitはAIのキャラクターが会員をサポートしてくれます。
具体的には
- おすすめの相手を紹介
- メッセージ交換のアドバイス
- プロフィール作成のアドバイス
などですね。

ただ、ラビットのAIは何か特別な手助けしてくれる訳ではありません。
なのでエージェントというよりは、どちらかというとキャラクター・マスコットのようなイメージです。
AIMM(エイム)
AIMM(エイム)は、まるでSF映画のようなAIが登場するマッチングアプリです。
AIMMでは、登録してから1週間にわたり毎日AIと利用者が10分以内の音声通話をします。
この1週間でAIが利用者の好みや人格を学習。
学習した内容をもとにおすすめのユーザーを紹介してくれます。
もちろん、AIMMではマッチングアプリでお馴染みの
- プロフィール作成
- いいね!
などはありません。
つまり、AIMMでは人とAIが音声通話するだけでマッチングする相手を紹介してもらえるのです。
音声だけのAIといえば、人とAIの恋愛で話題になった映画
「her/世界でひとつの彼女」
があります。
AIMMのAIは、この映画に出てくるAIと似たようなイメージです。
Snack(スナック)
つぎに紹介するのはSnack(スナック)。
SnackはAIがユーザーとチャットして、マッチする異性を選んでくれるマッチングアプリです。
SnackのAIはアバターの身体を保有しています。
そして、このAIアバターがエージェントになってくれます。

SnackのAIアバターイメージ 画像はfastcompanyから引用
まず最初に、質問を繰り返して利用者の好みを学習します。
好みを学習したら、AIアバターは他の利用者とチャット開始。
もちろんAIアバターが自発的に、自動でチャットしてくれます。
そして、もし相性が良さそうなユーザーがいたら紹介してくれる、という仕組みです。
Snackでは、AIアバターがまさに人のエージェント(代理人)として行動してくれます。

② AIが好相性の会員を自動マッチング
マッチングアプリの問題点のひとつが「相手探しの大変さ」。
プロフィール検索・いいね!・メッセージ交換の繰り返しが意外と時間がかかり、疲れてしまうのですね。
それに、マッチング成功率の低さも問題。
とくに男性の場合、確率的には数%しかマッチングが成立しないと言われています。
この問題をスッキリ解決してくれるのが、AIによる自動マッチングです。
AIによる自動マッチングを導入しているアプリでは、AIがさまざまなデータをもとに相性が良さそうな人を提案してくれます。
なので
- 会員検索
- いいね!
- メッセージ交換
などに費やす労力や時間がそのまま無くなり、マッチングアプリ疲れが確実に減ります。
AIによる自動マッチングを導入している「バチェラーデート」を紹介します。
バチェラーデート
バチェラーデートは、会員登録後にプロフィールを入力したら後はAIがデート相手を紹介してくれるのを待つだけ、というマッチングアプリです。
いいね!やメッセージ交換が無いだけでなく、デートの日時や場所(カフェ)もAIが指定。
だからマッチングアプリ疲れを劇的に減らせます。
すこし変わった機能として、デート後にお互いを評価する機能があります。
デートの後の感想などを入力することでAIが好みを学習し、より相性が良い会員を紹介してくれるようになります。
バチェラーデート審査制でハイクラス向けのアプリ。
仕事で忙しい高収入の男性にとってバチェラーデートのAIは心強い味方になってくれるはずです。

③ AIによるマッチングアプリのアカウント運用代行
海外では、忙しい男性向けにマッチングアプリのアカウント運用代行サービスがあります。
アカウント運用代行サービスとは
- マッチングアプリの会員登録
- いいね!
- メッセージ交換
- デートのアポ取りなど
などをすべて代わりに行ってくれるサービスです。
これまでは人力で代行するサービスが多かったのですが、すべてをAIが代行してくれる「CupidBot.ai」というサービスが海外で登場しています。
CupidBot.ai
CupidBot.aiを開発したのは
「元Tinderのエンジニアのチーム」
と名乗る人たち。
CupidBot.aiでは、まず人工知能が男性ユーザーの好みを学習します。
学習が完了したら後はマッチングアプリ内のすべての行動が自動化されます。
メッセージ交換やデートのアポ取りもAIが自動的にチャットしてくれるので、利用者がするのは本当にデートだけ。
CupidBot.aiは3ヶ月単位のサブスク型で、料金は15ドル(定価は90ドルです)。
興味がある方はCupidBot.aiについて解説した記事がありますので、こちらを参考にしてください。

④ AIがメッセージ作成をサポート
4つ目は「AIがメッセージ作成をサポート」です。
AIによるメッセージ作成といえば、まず浮かぶのはChatGPT。
このChatGPTをマッチングアプリに導入し、利用者のメッセージ作成をサポートしてるのが
「ぽっちゃり向けマッチングアプリ」
のWooPlus(ウープラス)です。
下の画像のような感じでメッセージが作れるようになっています。

このような方法なら、メッセージ作成におけるAIの導入はそれほど難しくありません。
これから日本でもChatGPTを導入するマッチングアプリが増えるかもしれませんね。
※WooPlusは海外のマッチングアプリです
目的③ マッチングアプリの安全性向上
AI(人工知能)はマッチングアプリの安全性向上のためにも使われています。
大きくは
- 入会審査・本人確認
- 悪質な利用者・業者の発見と削除
などで使われています。
それぞれ解説します。

入会審査・本人確認でAIはどう活用されているか?
入会審査や本人確認では、AIは
- 登録された写真が本物かどうか
- 登録された写真と実物が同一人物かどうか
などをチェックしてくれます。
すこし前まで、マッチングアプリは年齢確認さえ完了していれば使えました。
けれど最近は本人確認が必要なアプリが増えています。
本人確認では
- マッチングアプリに登録した写真
- スマホの自撮りに写っている人物
この2つを比較して、同一人物かどうかをAIがチェック。
これにより不正な方法で登録する利用者の入会を防げます。

ペアーズの本人確認の様子 画像は株式会社エウレカのPRTIMEから引用
変わった事例を挙げると、Raya(ラヤ)という審査制の有名人・インフルエンサー向けマッチングアプリでは、入会審査でAIを活用しています。
Rayaの入会審査合格率は8%と言われています。
AIを使って相当厳しく審査をしているようです。

他にも、アメリカのマッチングアプリ大手のMeetGroupは自社で運営する複数のマッチングアプリにAIによる顔認証機能を導入しています。
AIがプロフィールに登録されている顔の写真を認証をすることで推定年齢が算出。
もし未成年らしきアカウントを見つけたらアカウント停止などの措置をしています[4]Business Wire:The Meet Group Launches Profile Verification on MeetMe。
悪質利用者や業者の発見・削除でAIはどう活用されているか?
AIが得意なのはデータの分析です。
なので、特定の会員が他の会員に対してマッチングアプリの利用規約に違反するような行為をしてるかどうかを見つけるのは大得意。
たとえば
- スパムメッセージ送信
- 暴力的・卑猥な表現のメッセージ送信
- 性的な画像の送信
- 動画内での不正行為
などはAIによって防止されています。
このような、投稿等のコミュニケーション内で違反行為を検出するAIは「投稿監視AI」と呼ばれています。
おそらく投稿監視AIはほとんどのマッチングアプリで導入済みだと思います。
最近になり、マッチングアプリがきっかけになった詐欺事件が増えていますが、この対策もAIで行われています。
AIは過去に不正な行動をしたユーザーのデータを大量に学習しています。
そして過去データと照らし合わせながら、不正な行動をしそうな人のデータを検知しています。
マッチングアプリ内で勧誘等の詐欺行為をする人たちは「業者(ぎょうしゃ)」と呼ばれています。
カップリンクはAIの力を使い、自動的に3割の業者の発見・削除に成功したそうです。
AIは活用されるだけでなく悪用もされている
ここまで、婚活・マッチングアプリでAIがどう活用されているかを以下の3つに分けて紹介しました。
- アプリで理想の相手と出会える確率アップ
- 出会いを効率化し、マッチングアプリ疲れを減らす
- マッチングアプリの安全性向上
AIはマッチングアプリ利用者の利便性を向上させていることがわかったと思います。
けれど、最近になりマッチングアプリ等におけるAIの悪用情報も増えています。
具体的に言うとサクラでAIが悪用されているそうです。
大変ですが、マッチングアプリ利用者は今やりとりしている相手がサクラかどうかを注意すべきかもしれません。
AIだけでなくテクノロジーは良いことだけに使われるとは限りません。
できるだけ安全にマッチングアプリを使うためにも、きちんとした監視体制を整えているマッチングアプリを利用しましょう。
参考記事・文献
↑1 | 株式会社サイバーエージェント:「タップル誕生」の両思い請負人は機械学習エンジニア |
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↑2 | ITmedia NEWS :「好きかも?」AIで分析 東大と「Pairs」がタッグを組む理由 |
↑3 | AIsmiley:マッチングアプリ「CoupLink」AI活用でマッチング数が最大1.8倍に増加 |
↑4 | Business Wire:The Meet Group Launches Profile Verification on MeetMe |