マッチングアプリに潜むAI(人工知能)業者の特徴・見分け方を解説

マッチングアプリに潜むAI(人工知能)業者の特徴・見分け方を解説

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人気のあるマッチングアプリにはサクラはいません。
でも、業者(ぎょうしゃ)と呼ばれる人たちはいます。

業者は純粋な出会い目的でアプリを使う男女を騙そうとする人たちです。
業者が増えると、マッチングアプリで出会える確率は減ります。
だから、マッチングアプリ運営会社は業者の発見・排除に積極的です。

けれど最近の業者は最新のAI(人工知能)をつかい、アプリ利用者を巧妙に騙そうとします。
もし騙されたら、金銭的・心理的に大きなダメージを受けます。

幸い、2023年の時点ではAI業者を見破るテクニック・コツが存在します。
この記事ではマッチングアプリに潜む、AIを操る業者の特徴・見分け方を解説します。

AIかどうかは関係なく、マッチングアプリ利用者にとって業者はやっかいな存在です。
この記事を読めば業者に騙されにくくなるので、参考にしてください。

この記事を書いた人

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武部真也(shin)

2011年から50個以上のマッチングアプリを使い、アプリを調査・体験している。体験から得た知識を活かし、マッチングアプリに関連する記事を累計数百本執筆。特に興味がある分野は「最新テクノジー×出会い(人間関係)」。
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マッチングアプリの業者とは?

「マッチングアプリのサクラはわかるけど、業者って何?」

と思う人は多いはずなので、最初に業者について解説します。

業者は出会い以外の目的でアプリに登録している人のこと

一言でいうと、業者とは
「出会い以外の目的でアプリに登録している人の総称」
です。

出会い以外の目的の例を挙げると

  • マルチ商法の勧誘
  • 詐欺サイト誘導
  • 投資詐欺
  • デート商法
  • 投資詐欺
  • 恋愛・ロマンス詐欺(国際ロマンス詐欺も含まれる)
  • 美人局・恐喝

などが代表的です。
要は純粋な出会いを求める男女を騙してお金を稼ごうとするのが業者です。

AI業者の場合が恋愛・ロマンス詐欺目的が多い

AI業者と表現していますが、マッチングアプリに潜入して人を騙すのは、業者が操作する「AI仮想会員」です。

当たり前ですが、AI仮想会員は人間の詐欺師と違って身体を持っていません。
体が無いので、直接会ってデートしながら勧誘したり、騙すことができません。
だから自然と詐欺の種類は減ります。

マルチ商法勧誘・デート商法・美人局などは身体が無いと難しいです。
よってAI業者の場合は恋愛・ロマンス詐欺がメインになります。
もちろん、海外からAIを悪用して日本人を騙そうとする国際ロマンス詐欺も含まれます。

海外のサイバーセキュリティの専門家は、ChatGPTを悪用したロマンス詐欺が増えてることを指摘しています。

ロマンス詐欺を行う犯罪者らが説得力のあるペルソナを作るためにChatGPTの利用を開始したと述べている。「彼らは、若い女性になりすますチャットボットで男性をおびきよせ、自動化された会話に引き込んでいる」と彼は指摘した。
引用:ChatGPTを用いた「ロマンス詐欺」が増加の兆し、専門家が警告

ChatGPTのような最新のAIなら、まるで人のようにメッセージ・チャットができます。
数年前から

「AIによって人間の仕事が無くなる」

こんな話が増えています。
少なくとも業者については確実に仕事がAI化されているようです。
もしかしたら、マッチングアプリで何気なくメッセージ交換している相手はAIかもしれません。

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業者とサクラは違う

業者に関する知識の補足として、業者とサクラの違いを簡単に解説します。

まず、サクラとはおもに悪質な出会い系にいる架空の男性・女性のことです

登録している写真は実在する人物のものを使ってますが、名前や人格は適当に作られています。
架空の人物なので、100%出会えません。

サクラがいる悪質出会い系には、サクラが大量に会員登録されています。
男性・女性両方とも登録されてますが、割合的には男性の方がかなり多め。

架空の人物になりすましてるのは「オペレーター」と呼ばれる社員・アルバイト、つまり人間です。
基本的にはオペレーターは出会い系の運営会社に雇われています。

shin

武部真也

最近ではサクラでもAIのオペレーターが登場しているそうです。これにより、騙し方が巧妙になっています。

悪質出会い系にいるサクラの仕組み

これに対して、業者は出会い系やマッチングアプリ運営会社とは関係のない第三者です。
出会いを求める男女が集まる場所を悪用し、人を騙そうとするのが業者です。

大きな違いはアプリ運営会社に雇われているかどうか。
出会いを求める男女にとって厄介な存在であることは、両者に共通する特徴です。

サクラとAI業者の違い

マッチングアプリにいるAI業者の特徴

マッチングアプリにいる、業者が裏で操る「AI仮想会員」の特徴を紹介します。

① 言葉遣いが不自然で誤字脱字が多い

AI業者の日本語は不自然なことが多いです。
これは外国人が翻訳AIなどを使い、日本人向けのメッセージを作っているからです。

いくらAIが優れていても、完璧な日本語を作るのは難しいです。
外国人では日本語の細かい誤字や文法ミスの修正ができません。
だからAI業者は言葉遣いが不自然で、誤字脱字が多いという特徴があります。

② 具体的ではなく、抽象的な会話のやりとりが続く

ChatGPTなどのAIは具体的な文章を作るのがやや苦手。
ややふわっとした抽象的なメッセージになりがちです。

shin

武部真也

文章生成AIのプロンプト(指示文)作成に熟練している人なら具体的な文章を作れる可能性があるので、ここは注意してください。

③ チャットの会話が噛み合わない

ChatGPTのような最新AIは会話の意図を汲み取ることが可能です。
それでも、人間同士のコミュニケーションと比べたらやや不自然になります。

メッセージ交換を繰り返しているうちに

「なんか噛み合わないな・・・」
「さっき聞いたことの返信が返ってこないな」

と感じたら、そのチャット相手はAIかもしれません。

④ 自撮り写真・動画の送信・デートなどを拒否する

「AI仮想会員」はSNSなどネット上に落ちてる男女の写真をつかい、マッチングアプリで他人になりすまします。
AIなので当然身体を持っていません。

そのせいか

  • 音声通話
  • 自撮り写真・動画の送信
  • 動画を使ったオンラインデート
  • 現実世界でのデート

など、肉体が必要な物事を色々な理由をつけてすべて拒否します。

メッセージ交換などを繰り返して

「そろそろ会ってデートしたいな」
「もう会ってもいいかな」

と思ったタイミングで誘ってもダメな場合、すこし警戒しましょう。

⑤ マッチングアプリ外でコミュニケーションを取りたがる

AIを操る業者の目的は詐欺です。
そのせいか、早いタイミングでマッチングアプリの外部に誘導しようとすることが多いです。
外部とは、おもに

  • LINE
  • カカオトーク
  • WhatsApp

などの無料通話アプリ。

普通に使っていると意識することはありませんが、マッチングアプリ内での投稿は運営会社が不正行為等がないか監視しています。
最近ではAIを導入した業者対策も行われているので、業者もアプリ内では悪いことがしづらくなっています。
だから、運営会社の目が届かない無料通話アプリに移動したがるのです。

AI業者の見分け方・相手が人工知能だと見破る方法

マッチングアプリでやりとりしている相手がAI(人工知能)かどうかを見分ける方法を紹介します。

① AI生成テキスト検出ツールでテストする

相手がAIかどうかを見破るには、AIによって作られた文章かどうかを見分けるツールを使うのがおすすめです。
おすすめのツールは

などです。

「AI Text Classifier」はChatGPTを開発しているOpenAI社のツール。
だからChatGPTを悪用している業者の判別精度は高いはずです。

ただ、長めの文章でないとAIが書いたかどうかの判断が難しいのが欠点。
チャットなど短い文章だと、他の方法の方が見分けやすいと思います。

② プロフィールがSNSに上がっていないか画像検索する

初歩的な方法ですが、やりとりする相手のプロフィール画像が盗用されたものかどうかを確認するのは有効的。

AI業者と言えど、マッチングアプリで人を騙すにはプロフィール画像が必要。
そして、業者が使う画像はSNSなどにアップされているものが多いです。
もしSNSの画像を使っていたら、Googleで画像検索すればすぐに盗用しているとわかります。

ChatGPTが文章を生成するように、人間のプロフィール画像を作ってくれるAIがあります。
代表的なサービスは以下。

AI画像生成サービス一覧

今のところ、これらのAIでは本物の人間と見分けが付かない画像は作れません。

けれどAIの進化のスピードは凄まじいの一言。
ちかい将来、人間の目では見分けがつかない画像生成AIも登場するはずです。

そのときは、特定の画像がAIによって生成されたものかどうかを判別するAI生成画像検出ツールができているはずです。
ツールを使い見破ってください。

③ 最新の時事ネタでコミュニケーションを取る

AIの弱点として「最新の時事ネタに弱い」という点があります。
これは、最新の時事ネタはAIが学習するデータ量が少なくなるのが理由です。
たとえば

「昨日の〇〇すごかったですね〜」
「昨日の〇〇物凄く盛り上がったみたいですよね」

みたいな新しいネタを振ると、上手に回答できない確率が高いです。

shin

武部真也

ただ、これもAIが進化すれば少ない学習量で自然な対応ができるようになると思います。

④ 冗談を言ってみる

AIは冗談のような高度な言語コミュニケーションを理解するのが苦手です。
それに、日本語の冗談を理解するには日本語が母国語の人以外にはとても難しいです。
海外から日本人を騙そうとする業者はたくさんいるので、もし疑わしい会員と遭遇した時は軽い冗談を言ってみましょう。

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AI業者に騙されないための具体的な対策

AI業者に騙されると、金銭的に大きな被害を被る可能性があります。
それだけではありません。

「騙されてしまった」

という心理的なダメージだってあります。

AI業者に騙されないための具体的な対策を紹介します。

① 「AI業者の見分け方・相手が人工知能だと見破る方法」を試す

まず、先ほど紹介した
「AI業者の見分け方・相手が人工知能だと見破る方法」
を試してください。
これだけでAI業者に騙される確率がかなり減ります。

② お金は絶対に振り込まない

AI業者の場合、だいたいの目的はお金です。
なので相手が業者だった場合、どこかでお金の話が出てきます。

お金の話が出てきたら連絡を拒否しましょう。
どんな風に誘惑されても、絶対にお金を振り込んではいけません。

これはAI業者だけに限った話ではありません。
もしマッチングアプリで知り合った相手からお金の話が出てきたら、男女関係なくほぼ詐欺です。
お金の話が時点で関係を終わらせるべきです。

③ 写真・動画は絶対に送らない

これも業者だけに限りませんが、マッチングアプリで知りあった相手に写真は動画を送ってはいけません。
とくに性的な画像や動画は「セクストーション」と呼ばれる脅迫の材料になります。

セクストーションによる被害は深刻で、アメリカでは2022年に7,000件以上のセクストーション関連事件が起きており、被害者は3,000人にものぼります[1]The Washington Post:FBI warns of explosion of ‘sextortion’ cases targeting boys, teens
被害者の中には自殺する人もいて、2022年だけで少なくとも12人が亡くなってます[2]The Washington Post:FBI warns of explosion of ‘sextortion’ cases targeting boys, teens

もし写真(画像)・動画の送信を要求されても絶対に断りましょう。

④ 個人情報は最低限しか渡さない

AIに限らず、業者はさまざまな目的であなたの個人的な情報を入手しようとします。
たとえば

  • フルネーム
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 銀行口座の番号
  • クレジットカードの番号・暗証番号
  • SNSアカウントのID

これらの情報をどう悪用するかは業者によって違います。
大事なのは、必要最低限の情報しか渡さないこと。

もしマッチングアプリで恋人を探すなら、必要な情報は連絡先くらいです。
これも、必要になるのはデートが決まったときです。
トラブル防止のため、できるだけ情報は渡さないようにしましょう。

マッチングアプリを安全に使うには知識が必要

ここまで、マッチングアプリに潜むAI業者に騙されない方法として

  • マッチングアプリにいるAI業者の特徴
  • AI業者の見分け方・相手が人工知能だと見破る方法
  • AI業者に騙されないための具体的な対策

などを解説しました。

業者も商売ですので、マッチングアプリ利用者を騙そうと必死です。

だから利用者側も知識で武装し、騙されないようにしなくてはなりません。
人工知能のような新しいテクノロジーの知識を身につけるのは大変です。
なので、この記事で紹介したような汎用的なテクニック・ノウハウで自分の身を守りましょう。

参考記事・文献