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この記事では没イチ、つまり配偶者と死別してしまった人向けのマッチングアプリの「Chapter2」を、創業ストーリーと共に紹介します。
Chapter2創業のきっかけは夫との別れ
Chapter2の創業者はニッキー・ウェイク(Nicky Wake)さん。
イギリス北西部のグレーター・マンチェスターに住む、イベント会社を経営する女性です。
ニッキー・ウェイクさんがChapter2を作るきっかけになったのは、夫との死別です。
2002年に出会い系サイトの「DatingDirect.com」で、ニッキー・ウェイクさんは後の夫になるアンディさんと出会いました。
2002年といえば、まだガラケーですら普及途上の時代。
そんな時代に出会い系サイトを使ったニッキー・ウェイクさんは時代の変化に敏感な人であることがわかります。
補足するとDatingDirect.comはTinderなどを運営するMatchに買収されています[1]match:Dating Direct becomes Match: what differences?。
出会った後、二人の交際は順調に進み、2004年に結婚。
2007年には男の子を授かりました。
けれど、2017年に夫のアンディさんは心臓発作で倒れ、退院後の再発で昏睡状態に。
そして2020年、アンディさんは施設に入院中に新型コロナウィルスに感染。
これにより命を落とします。
いわゆる寡婦になったニッキー・ウェイクさんは、未亡人の集まりに参加し、少しづつ元気を取り戻します。
友人に勧められ、マッチングアプリのTinderやBumbleにも挑戦しました。
このとき、ニッキー・ウェイクさんは現代のマッチングアプリにとまどいます。
アンディさんと出会った20年前とは、様子が全然違っていたのです。
具体的に言うと
- 遊び目的の人
- 詐欺目的の人
- 未亡人について理解を示さない人
などの多さに驚いたのです。
「独身です」と嘘をつく既婚者が多いことにも驚きました。
この体験をニッキー・ウェイクさんは以下のように語っています。
現代のデートは西部劇のようなもので、未亡人である私はとても繊細で、少し傷ついていた。ライトな出会いを探している人に状況を説明するのは難しいです。
引用:Woman launches dating app for widows – all you need is your partner’s death certificate
「没イチ同士が出会えるマッチングアプリ」のアイデアが浮かぶ
既存の人気マッチングアプリを使った経験から、ニッキー・ウェイクさんは
「没イチ同士が出会えるマッチングアプリ」
のアイデアを着想します。
没イチの苦労がわかる人や、複雑な感情を理解してくれる人は、同じ没イチという訳ですね。
じっさいChapter2が没イチ500人に対して実施したアンケートで
- 「同じような経験をした人と付き合う方が、お互いの状況を理解しやすくなる」と回答した人は61%
- 「没イチ同士で付き合いたい」と思う人は41%
没イチのこんな本音がわかっています[2]Chapter2:The 2nd Chapter: Dating again after the death of a partner。
話をアプリに戻します。
マッチングアプリには「Chapter2」という名前が付けられました。
日本語だと「第二章」という意味です。
Chapter2は海外の没イチコミュニティの間でよく使われる言葉で「次のパートナー探し」という意味があるそうです[3]BusinessCloud:Dating app for widows and widowers expands globally。
イギリスでは、50歳未満で配偶者を亡くす人が毎年10万人もいます[4]Global Dating Insights:Chapter 2 Releases Study on Dating for Widows & Widowers。
ニッキー・ウェイクさんはイベント会社を経営する経営者でもあります。
このあたりにビジネスチャンスを見出したのかもしれませんね。
2022年11月に「Chapter2」が公開
2022年11月、イギリスでChapter2が公開されました。
本物の没イチしか使えないようにするため、登録するには
- 亡くなった配偶者の追悼Facebookアカウント
- 死亡証明書のコピー
このどちらかが必要になっています。
会員情報登録時には「亡くなった配偶者の名前」「亡くなった配偶者の死去日」などの登録も必要です。
公開後、高いニーズを背景にサービス利用者は順調に増加。
2023年2月には登録者は2,000人を突破しています[5]BusinessCloud:Dating app for widows and widowers expands globally。
利用者が増えていることから、イギリス以外への拡大も決定しています。
- 2023年6月にアメリカに進出
- 2023年9月にオーストラリアに進出
ニッキー・ウェイクさんの辛い体験から生まれたChapter2は、順調に成長しているようです。
日本には未対応
残念ですが、現在のところ日本への対応は発表されていません。
まずは英語圏からサービスを拡大するようで、おそらく日本への対応はかなり先になるでしょう。
日本は高齢化が進行していることもあり、配偶者と死別した没イチは2015年の段階で約955万人[6]PR TIME:配偶者と死別した“没イチ”は全国約955万人 実情に迫る調査レポートを公表。
日本でも没イチ向けのマッチングアプリのニーズはとても高いことがわかります。
けれど、まだ日本には没イチ専門のマッチングアプリはありません。
没イチ専門のマッチングアプリが立ち上がるまでは、既存のマッチングアプリで没イチを探しましょう。
Chapter2は没イチに対してアンケートをとっています。
没イチの恋愛・出会いに関する貴重なデータですので、ぜひ参考にしてください。
翻訳し、要約した記事はこちらです↓
没イチ専用マッチングアプリ「Chapter2」が没イチの恋愛・再婚のリアルなデータを公開
参考記事・文献
↑1 | match:Dating Direct becomes Match: what differences? |
---|---|
↑2 | Chapter2:The 2nd Chapter: Dating again after the death of a partner |
↑3, ↑5 | BusinessCloud:Dating app for widows and widowers expands globally |
↑4 | Global Dating Insights:Chapter 2 Releases Study on Dating for Widows & Widowers |
↑6 | PR TIME:配偶者と死別した“没イチ”は全国約955万人 実情に迫る調査レポートを公表 |