没イチ専用マッチングアプリ「Chapter2」とは?

没イチ専用マッチングアプリ「Chapter2」とは?

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

この記事では没イチ、つまり配偶者と死別してしまった人向けのマッチングアプリの「Chapter2」を、創業ストーリーと共に紹介します。

この記事を書いた人

管理人画像

武部真也(shin)

2011年から50個以上のマッチングアプリを使い、アプリを調査・体験している。体験から得た知識を活かし、マッチングアプリに関連する記事を累計数百本執筆。特に興味がある分野は「最新テクノジー×出会い(人間関係)」。
筆者のTwitter

Chapter2創業のきっかけは夫との別れ

Chapter2の創業者はニッキー・ウェイク(Nicky Wake)さん。
イギリス北西部のグレーター・マンチェスターに住む、イベント会社を経営する女性です。

ニッキー・ウェイクさんのtwitter

ニッキー・ウェイクさんがChapter2を作るきっかけになったのは、夫との死別です。

2002年に出会い系サイトの「DatingDirect.com」で、ニッキー・ウェイクさんは後の夫になるアンディさんと出会いました。
2002年といえば、まだガラケーですら普及途上の時代。
そんな時代に出会い系サイトを使ったニッキー・ウェイクさんは時代の変化に敏感な人であることがわかります。

shin

武部真也

補足するとDatingDirect.comはTinderなどを運営するMatchに買収されています[1]match:Dating Direct becomes Match: what differences?

出会った後、二人の交際は順調に進み、2004年に結婚。
2007年には男の子を授かりました。

けれど、2017年に夫のアンディさんは心臓発作で倒れ、退院後の再発で昏睡状態に。
そして2020年、アンディさんは施設に入院中に新型コロナウィルスに感染。
これにより命を落とします。

いわゆる寡婦になったニッキー・ウェイクさんは、未亡人の集まりに参加し、少しづつ元気を取り戻します。
友人に勧められ、マッチングアプリのTinderやBumbleにも挑戦しました。

このとき、ニッキー・ウェイクさんは現代のマッチングアプリにとまどいます。
アンディさんと出会った20年前とは、様子が全然違っていたのです。

Tinder

具体的に言うと

  • 遊び目的の人
  • 詐欺目的の人
  • 未亡人について理解を示さない人

などの多さに驚いたのです。
「独身です」と嘘をつく既婚者が多いことにも驚きました。

この体験をニッキー・ウェイクさんは以下のように語っています。

現代のデートは西部劇のようなもので、未亡人である私はとても繊細で、少し傷ついていた。ライトな出会いを探している人に状況を説明するのは難しいです。
引用:Woman launches dating app for widows – all you need is your partner’s death certificate

「没イチ同士が出会えるマッチングアプリ」のアイデアが浮かぶ

既存の人気マッチングアプリを使った経験から、ニッキー・ウェイクさんは
「没イチ同士が出会えるマッチングアプリ」
のアイデアを着想します。

没イチの苦労がわかる人や、複雑な感情を理解してくれる人は、同じ没イチという訳ですね。
じっさいChapter2が没イチ500人に対して実施したアンケートで

  • 「同じような経験をした人と付き合う方が、お互いの状況を理解しやすくなる」と回答した人は61%
  • 「没イチ同士で付き合いたい」と思う人は41%

没イチのこんな本音がわかっています[2]Chapter2:The 2nd Chapter: Dating again after the death of a partner

話をアプリに戻します。
マッチングアプリには「Chapter2」という名前が付けられました。
日本語だと「第二章」という意味です。
Chapter2は海外の没イチコミュニティの間でよく使われる言葉で「次のパートナー探し」という意味があるそうです[3]BusinessCloud:Dating app for widows and widowers expands globally

イギリスでは、50歳未満で配偶者を亡くす人が毎年10万人もいます[4]Global Dating Insights:Chapter 2 Releases Study on Dating for Widows & Widowers
ニッキー・ウェイクさんはイベント会社を経営する経営者でもあります。
このあたりにビジネスチャンスを見出したのかもしれませんね。

2022年11月に「Chapter2」が公開

2022年11月、イギリスでChapter2が公開されました。

本物の没イチしか使えないようにするため、登録するには

このどちらかが必要になっています。

shin

武部真也

会員情報登録時には「亡くなった配偶者の名前」「亡くなった配偶者の死去日」などの登録も必要です。

公開後、高いニーズを背景にサービス利用者は順調に増加。
2023年2月には登録者は2,000人を突破しています[5]BusinessCloud:Dating app for widows and widowers expands globally

Chapter2公式サイト画像

利用者が増えていることから、イギリス以外への拡大も決定しています。

  • 2023年6月にアメリカに進出
  • 2023年9月にオーストラリアに進出

ニッキー・ウェイクさんの辛い体験から生まれたChapter2は、順調に成長しているようです。

日本には未対応

残念ですが、現在のところ日本への対応は発表されていません。
まずは英語圏からサービスを拡大するようで、おそらく日本への対応はかなり先になるでしょう。

日本は高齢化が進行していることもあり、配偶者と死別した没イチは2015年の段階で約955万人[6]PR TIME:配偶者と死別した“没イチ”は全国約955万人 実情に迫る調査レポートを公表
日本でも没イチ向けのマッチングアプリのニーズはとても高いことがわかります。
けれど、まだ日本には没イチ専門のマッチングアプリはありません。
没イチ専門のマッチングアプリが立ち上がるまでは、既存のマッチングアプリで没イチを探しましょう。

Chapter2は没イチに対してアンケートをとっています。
没イチの恋愛・出会いに関する貴重なデータですので、ぜひ参考にしてください。
翻訳し、要約した記事はこちらです↓
没イチ専用マッチングアプリ「Chapter2」が没イチの恋愛・再婚のリアルなデータを公開