婚活系のウェブサイトでは
- マッチングアプリ
- 婚活アプリ
などの婚活系サービスを使って男女が知り合い、結婚すると離婚率が低いと言われています。
日本でマッチングアプリが登場したのは2012年[1]ネットマーケティング社の「Omiai」が日本初のマッチングアプリだと言われています。。
誰もが普通に使うようになったのは、ここ最近です。
離婚率が低い、と語る根拠となっているデータはあるのでしょうか?
このページでは
「婚活系ネットサービスで知り合い、結婚すると離婚する確率が低い」
これを証明するようなデータがあるのかを調べました。
「ネットで出会うと離婚率が低い」
この説が真実なのか、みなさんも一緒に確かめましょう。
「離婚率が低い」という根拠はアメリカのデータ
まずはじめに
「婚活系ネットサービスで知り合い、結婚すると離婚する確率が低い」
この説の根拠になっている研究データを調べました。
調べた結果、根拠になっているのはアメリカのシカゴ大学のジョン・カシオッポ教授が2013年に発表した論文だということがわかりました[2]Marital satisfaction and break-ups differ across on-line
and off-line meeting venues。
この論文で、調査の対象となったのは
「2005年から2012年の間にアメリカで結婚した19,131人」
です。
論文で明らかになったことをいくつか紹介します。
「ネット」で知り合い結婚した割合は約35%
論文によると、調査した人のなかで
「オンライン」
で知り合い、結婚した人の割合は34.95%となっています。
約3人に1人ですね。
英語の「オンライン」は、日本でいう「ネット」とほぼ同じような意味で使われます。
日本風にいえば
「ネットで出会い結婚した夫婦」
が約35%、ということです。
アメリカではかなり前からネットで出会うのが「普通」だったのです。
どのサイト・アプリで知り合ったのか?
「アメリカ人の3人に1人はネットで出会っている」
と言われても、ぴんときませんよね。
大事なのは、ネットの中のどのサイト・アプリで知り合ったのかです。
これも同じ論文に掲載されています。
出会った人の割合が多いサービスと割合をまとめると、以下のようになっています。
- オンラインデートサイト(出会い系サイト・婚活サイトのこと):45.1%
- SNS:20.87%
- チャットルーム:9.51%
結局のところ
「ネットで出会った」
という人のうち、4人に3人以上は出会い系サイト・婚活サイト・SNSで出会っているのです。
そして、割合が多いのは「オンラインデートサイト」です。
補足するとオンラインデートサイトのうち利用率が高かったのは
などです。
Matchは日本でもおなじみですね。
ネットで出会った夫婦の方が離婚率が低い
一番大事なのはここです。
ネットで出会った夫婦と、ネット以外の場所で出会った夫婦の離婚率の比較も論文に掲載されています。
- ネット:5.96%
- ネット以外:7.67%
このように、確かにネットで出会った夫婦の方が離婚率は低いです。
このデータが
「婚活系ネットサービスで知り合い、結婚すると離婚する確率が低い」
という説の根拠となっているのでしょう。
データはアメリカのもので、しかもずいぶん昔(2005年〜2012年)のデータです。
これをそのまま日本にあてはめて
「ネットで出会うと離婚率は低い」
と、信じても良いのでしょうか?
日本には同じような研究がない
先にアメリカの論文を紹介しました。
次は日本のデータを・・・といきたいところですが、残念ながら日本には同じような研究がありません。
よって、データも見当たりません。
日本でも出会い系サイトが2000年頃から流行しており、出会い系で知り合った夫婦はたくさんいます。
しかし、データが見当たらないのでは離婚率について語ることはできません。
「婚活系ネットサービスで結婚すると離婚率が低い」は本当?
「婚活系ネットサービスで知り合い、結婚すると離婚する確率が低い」
という説は本当なのでしょうか?
アメリカでは、確かに離婚率は少し低かったです。
けれど、その離婚率については数年間(2005年〜2012年)のデータでしかありません。
日本で離婚した夫婦は、平均すると何年くらい結婚生活が続いたのでしょうか。
厚生労働省が実施した人口動態調査
「結婚生活に入ってから同居をやめたときまでの期間別にみた年次別離婚件数・百分率及び平均同居期間」
見てみましょう。
2017年に離婚した夫婦の平均同居期間は
「11.5年」
となっています。
同居を解消し、別居してから離婚する夫婦もいるでしょう。
日本で離婚する夫婦の、結婚してから離婚までの平均期間は11.5年以上になりそうです。
アメリカの調査は7年間のデータが使われました。
ということは、仮に調査がはじまった2005年に結婚した夫婦でも、離婚したかどうかは7年間しか調査されていません。
おそらく、調査が終わった2012年以降に離婚した夫婦はたくさんいるでしょう。
これでは
「婚活系ネットサービスで結婚すると離婚率が低い」
という説を
「本当だ」
と言い切ることは難しいです。
デマというほどではありませんが、真実かどうかはわからない、というのが現状でしょう。
真実はこれから明らかに
日本でマッチングアプリや出会い系アプリや普及して、
「ネットで出会う」
が普通になったのは2012年以降です。
おそらく、日本でもこれから大規模な調査が行われ、真実が明らかになるでしょう。
ただ、人口1,000人あたりの離婚数(普通離婚率)は徐々に減っています。
離婚はさまざまな要因で起きます。
だから断定することは難しいですが、すでにネットの影響で離婚率は下がっているのかもしれませんね。
いずれにせよ、真実がわかるのはこれからです。
参考記事・文献
↑1 | ネットマーケティング社の「Omiai」が日本初のマッチングアプリだと言われています。 |
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↑2 | Marital satisfaction and break-ups differ across on-line and off-line meeting venues |